2型糖尿病に使われるメトホルミンという薬は、様々な副効果があることがわかっています。
その中で、代謝効率をあげるという効果について、なぜか?がはっきりわかっていませんでした。
代謝改善の薬剤開発に役立てるために、作用解明は望まれる事でした。
そして、昨年、代謝改善の根拠となる新たな発見が発表されました。
それは、「メトホルミンは、腸内細菌の餌となる糖を大腸内へ送る作用があると考えられる」
という事です。
これが、代謝改善効果へのひとつの根拠になるわけです
代謝改善には腸内細菌が作る短鎖脂肪酸がカギ
腸内細菌が作り出す成分で、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)をご存知でしょうか?
近年、腸内細菌の効果について注目されていますが、これは主に腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸の効果と考えられます。
短鎖脂肪酸は、動物には作り出す事が出来ない成分で、人体へとても大切な効果を及ぼしてくれています。
・短鎖脂肪酸の効果
エネルギー代謝
糖新生抑制
脂肪、コレステロール生成抑制
免疫調整
炎症抑制
腸管バリア向上
など
いわば、人体と腸内細菌と共同で、生命活動を維持している、と言えます。
短鎖脂肪酸を作り出すには、腸内細菌と水溶性食物繊維やレジスタントスターチ
短鎖脂肪酸を作り出すには、腸内細菌だけではなく、腸内細菌の餌となる、水溶性食物繊維やレジスタントスターチ(小腸で消化されず大腸まで届く糖質)を一緒に摂ることが大切です。
ここで、レジスタントスターチとは、冷ごはんや冷製パスタ、冷えたじゃがいもなどを想定してください。
短鎖脂肪酸は、腸内細菌によって、大腸で作られます。ですから、大腸まで餌を送り出す事が必要になるわけです。
メトホルミンの腸管への糖排泄作用へ期待
神戸大学などによる研究では、メトホルミンが糖の腸管への排泄を促進し、腸内細菌による短鎖脂肪酸生成を高める事を明らかにしました。
メトホルミン摂取群と未摂取群を比較して、腸管での糖の動きを特定できる装置で測定したところ、摂取群は未摂取群に比べ、4倍の糖を大腸に送り出していることがわかりました。
それにより、短鎖脂肪酸の生成が高まっていることも明らかにされています。
メトホルミンの代謝促進効果への作用機序はわかっていませんでしたが、腸内細菌との共同作業により短鎖脂肪酸の働きを高めている事がひとつの根拠であるとわかりました。
今後、糖を腸内へ送り出す作用の薬剤を開発することで、代謝改善効果の薬剤を作り出す事ができるかもしれないと、期待されるところです。



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