こむら返り対策は、カリウムではなくマグネシウムが鍵!

健康

みなさまこんにちは。

薬剤師歴20年以上、子育て真っ只中のたまさんです。

今日は、「こむら返り」についてお話します。

こむら返りと起こる原因

ふくらはぎの筋肉が、突然強く収縮して、なかなか弛緩しない状態を「こむら返り」と言います。こむらとは、ふくらはぎを指しますが、実際は全身の筋肉の至る所で起こり、強い痛みを伴います。

こむら返りが起こる原因は様々あり、
・イオンバランス(ミネラルバランス)の変動
・脱水
・筋肉疲労、筋肉低下
・冷え、老化などによる血流悪化
など、です。

イオンバランス(ミネラルバランス)の変動

中でも、イオンバランス(ミネラルバランス)について考えていきたいと思います。

よく、「カリウムが低下しているから」と言われますが、実はそうではありません。

カリウムは低でも高でも筋弛緩

筋肉の収縮弛緩に関しては、主に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのイオンたちが関わってきますが、大変複雑な動きをするので、多いから少ないからと単純な反応をするわけではありません。

カリウムについて簡単に言うと、カリウムイオンは多くても少なくても筋肉は弛緩します。
(専門的説明が入ります。)
低カリウム…過分極により収縮が起きにくく弛緩
高カリウム…一時的に脱分極により収縮するがナ       トリウムチャネルの不活化により弛緩           

カリウムイオンによる筋肉の収縮は補助的な役割で、こむら返りにはもっと重要なミネラルがあります。

それは、マグネシウムイオンとカルシウムイオンです。

筋収縮弛緩にはカルシウムとマグネシウムが直接的に関わる

カルシウムイオンの働き

筋肉の収縮の反応には、カルシウムイオンが起爆
剤となり起こります。

筋小胞体からカルシウムイオンが放出されて、アクチンミオシンフィラメントの滑り込みが起きて筋肉が収縮します。

マグネシウムイオンの働き

マグネシウムイオンは、カルシウムイオンと関わりが強く、カルシウムマグネシウムポンプにより、カルシウムイオンを筋小胞体に戻します。このため、筋肉は弛緩します。

いわば、カルシウムイオンはアクセル、マグネシウムイオンはブレーキの役割です。

つまり、
マグネシウムイオンが少なくなると、カルシウムイオンを制御できなくなり、筋肉が収縮しやすくなり、こむら返りが起きやすい状態になります。

カルシウムを摂取するとどうなの?

ここまでの話をすると、カルシウムを摂りすぎるとこむら返りが起きやすいのではないか、と言えそうですが、そうではありません。

カルシウムを沢山摂って、血清カルシウムイオン濃度が上がっても、筋小胞体内カルシウムとは別だからです。ちなみに血清カルシウムも筋収縮に関わりますが、話が複雑になるので、除外します。

こむら返りにはマグネシウム!

ですから、こむら返りが起きやすいイオンバランス(ミネラルバランス)の変動の原因は、マグネシウムにあるのです。

こむら返り対策として、適正なマグネシウムを補給することが正しい対策と言えますね。

マグネシウムの1日あたり摂取量

マグネシウムの適正量は、1日あたり、男性350〜370mg、女性260mg〜290mgです。
日本人の食事では、1日250〜270mgしか摂れていません。ですから、意識して、以下の食材を取り入れるとよいですね。

ナッツ類 アーモンド10粒…40mg
豆類   納豆1パック…50mg
海藻類  ワカメの味噌汁1杯…20mg
穀類   玄米ごはん1杯…50mg

摂りすぎは、他の問題が出てくるので、適正量摂ることがとても大切です。

最後に

突如として起こる強い痛みですから、防ぐ方法があれば取り組んでいきたいですね。

他にも、血流促進ためのマッサージや冷え対策なども、一定の効果があるので、積極的に取り組んでいくとよいですね。

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