薬疹についてちょっと難しい話

こんにちは。

薬剤師歴20年以上、子育て真っ只中の薬剤師たまさんです。

今回は薬に対する過敏症である、薬疹についてお話します。

薬疹とは、薬によって引き起こされる皮膚障害のことを指します。
多くは薬剤に対するアレルギー性のものであり、軽症なものから命を脅かす重症なものまであります。

薬疹は初回の薬に対しては起こりません。
初回服用した薬に対して免疫を獲得した後、その薬を再度服用する事により、アレルギー反応による薬疹を引き起こします。この免疫を獲得するまでに10〜14日かかりますので、初回服用してから10日以上経過した後、その薬を服用して、数10分後(即時型蕁麻疹)か1日〜2日後(遅延型発疹)に薬疹を引き起こします。
なので、
「初回から10日ほど継続している薬」か、
「10日以上空いて久しぶりであり、薬疹が起こる直前に服用した薬」が原因薬と考えます。
つまり、前に一度服用して問題のなかった薬が原因薬剤、となるので注意が必要です。
また、例えば、初回服用から5日間しか経っていない薬は原因薬剤とは考えない、という事になります。

薬疹の現れ方は、全身に紅斑が現れる場合が多いですが、全身ではなく、一部に固定疹として現れる場合もあります。
これらは、薬剤を中止することで治まりますが、アナフィラキシーショックを起こす事もあるので、一度薬疹を起こした薬剤は避けていく必要があります。
また、重症な薬疹として、スティブン・ジョンソン症候群や薬剤性表皮壊死症、ウイルスによる薬剤性過敏症候群などがあります。発熱や倦怠感を伴う皮膚障害として現れます。
これらは、薬剤を中止してもどんどん悪化していくので、放置せずすぐに医療機関で対応することが大切です。

服薬中に、皮膚障害が現れた時は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

薬剤の説明には、「かゆみが出る事があります…」と書いてあります。
これは、上記のようなアレルギー反応が起こる事への注意喚起ですが、すべての薬について言える事になります。

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