インフルエンザで使ってはいけない解熱鎮痛薬

健康

インフルエンザにかかると最も心配なのがインフルエンザ脳症です。
日本ではオセルタミビル(タミフル)による異常行動という話から、インフルエンザ脳症か広く認識されるようになったのではないでしょうか?
現在は、タミフル自体に脳症のリスクは認められておらず、インフルエンザ自体が原因ではないかという結論になっています。
今回はインフルエンザ脳症と、似た症状であるが全く別病態のライ症候群についてもお話します。

インフルエンザ脳症とは?


0歳〜5歳の乳幼児に多く、発症後すぐに(1〜2日後)起こします。
インフルエンザウィルスが脳内に入り炎症を起こすことは稀であり、多くは、免疫の暴走により起こります。
インフルエンザウィルス感染により、強力な免疫対応が必要になりますが、過剰になりすぎて、高サイトカイン血症になることが原因です。
それにより、脳の血管内皮細胞が傷つけられ、脳浮腫が起こり、意識障害やけいれん、神経毒性を起こし、重篤な後遺症を残したり、最悪な場合死亡に至ります。
また、血液脳関門か破綻し見境なく血液内物質を脳に通してしまうことや、高アンモニア血症が追い打ちをかけることもあります。

ライ症候群とは?


4歳〜12歳に多く、急性脳症と肝障害を特徴とする重篤な病態で、致死率30〜40%です。インフルエンザ脳症とは全く別の病態で、インフルエンザや水ぼうそう罹患後(回復数日後)に、ミトコンドリアの機能低下により、脂肪肝や、代謝異常、高アンモニア血症により脳浮腫を起こし、意識障害、異常行動、けいれん、昏睡から呼吸抑制を起こします。

リスクファクターとなる解熱鎮痛薬


インフルエンザで、解熱鎮痛作用のあるジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)や、メフェナム酸(ポンタール)は使ってはいけません。
また、ライ症候群ではアスピリン(バファリン、PL顆粒)などのサリチル酸製剤は使ってはいけません。

ちなみに解熱鎮痛薬はアセトアミノフェンを除いて消炎作用も併せ持ち、消炎解熱鎮痛薬(NSAIDS)を指します。

インフルエンザ脳症リスク


ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸はインフルエンザ脳症のリスクを高めます。
大半の解熱鎮痛薬は、プロスタグランジンを抑制することにより、消炎鎮痛解熱効果を有しますがそれが、血流低下となりインフルエンザ脳症へ悪影響を与えると考えられています。
このため、上記の解熱鎮痛薬だけでなく、ロキソプロフェン(ロキソニン)やイブプロフェン(イブ)などのその他の解熱鎮痛薬もインフルエンザ罹患事には避けたほうが良いという認識になっています。

ライ症候群リスク


アスピリン(サリチル酸製剤)はミトコンドリア毒性がある事がライ症候群へのリスクとなります。
総合感冒薬として使われる幼児用PL顆粒は使えませんし、川崎病により小用量アスピリンを継続服用している場合に検討が必要になります。

インフルエンザに安全な解熱鎮痛薬


アセトアミノフェン(カロナール)です。
解熱鎮痛作用があります。
アセトアミノフェンは、中枢で弱くプロスタグランジンを抑えますが末梢では作用しません。このため、インフルエンザに安全に使えます。

他の解熱鎮痛薬との違い
・胃腸障害少ない
・腎障害少ない
・インフルエンザでの悪影響なし
・喘息誘発リスクほぼなし
・妊婦、乳幼児に使える
・心血管リスクに影響なし
・消炎作用なし
・作用が緩やか

コロナウイルスは脳症の心配はあるのか?


小児のコロナ脳症は大変稀であり、コロナウイルスに対する過剰免疫が起こりにくいのです。
成人でも、稀にコロナ脳炎は稀にありますが、重症肺炎が原因になります。
このため、コロナ脳炎のリスクは低いと考えられており、比較的安全に解熱鎮痛薬が使われます。
幼児や小児にとっては、コロナウイルスよりインフルエンザウイルスの方が脅威と言えるでしょう。

最後に


インフルエンザでは高熱になるため、早急に解熱させたいと考えますが、市販の解熱鎮痛薬をむやみに使うのは、危険かもしれませんね。

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