緊急避妊薬レボノルゲストレルは薬局で買えるの?

健康

こんにちは。薬剤師歴20年、子育て真っ只中の薬剤師たまさんです。

本日は、日本で、緊急避妊薬レボノルゲストレルを購入するにはどうすればよいのか、をお話します。

2025年10月に緊急避妊薬レボノルゲストレル(ノルレボ)が一般用医薬品(要指導薬品)として厚生省により承認されました。

えっ?!ドラックストアで買えるようになるの?と思った方も少なくないと思います。

残念ながら、まだ、自由にドラックストアーで購入という訳にはいきません。

欧米はずいぶん前から市販化


欧米諸国では2000年代から市販化が進み、重篤な副作用もなく、望まない妊娠の減少を実現しています。ただ、課題も多く、特に若年層の自己判断、乱用について慎重に検討する必要があり、日本では欧米諸国を学びながら制度を整えている段階です。

現在の日本の施行制度


現在はまだ医療用医薬品であり、クリニック受診やオンライン診療を受けた後、登録薬局により服薬指導を受けて購入できます。
つまり、「医師の診察」+「登録薬局での服薬指導」がセットになります。

「登録薬局制度」テスト期


医師の診察をうけずに、薬局だけで安全に販売できるかを検証するために、厚生省主導で一部の薬局が参加して行われています。

これは、医師の診察を受けずに、登録薬局の研修を受けた薬剤師が対面で対応して、販売する、というテストです。もちろん、薬局でのフォローアップともしものときの医療機関との連携は必須です。登録薬局制度が施行されれば、なるべく早く服用したほうがよい緊急避妊薬ですが、夜間や休日に服用することが可能になります。

 1.患者さんが登録薬局をさがす
    ↓
 2.登録薬局の研修を受けた薬剤師が聞き取り、服 

 用の可否を判断            
    ↓
 3.薬剤師による服薬指導
    ↓
 4.購入
    ↓
 5.薬剤師によるフォローアップ。医療機関との  

  連携。

2023.11〜一部地域で始まり、2024〜2025年度にかけて、全国150店舗に拡大予定。その実証結果を踏まえて、2026年に「登録薬局販売制度」の施行を目指しています。

日本で使われている緊急避妊薬


現在、医療用として日本で承認されている薬は、レボノルゲストレル1種類のみです。

レボノルゲストレル


 ・単剤型のホルモン(プロゲスチン)を用いた  緊急避妊用の医療用薬
 ・性交後、できるだけ早く服用する必要があ   る(72時間以内目安)
 ・現段階では医療用薬として扱われており、薬  局で自由に購入できるわけではない
 ・費用は、保険適応外で施設やクリニックによ  り異なる。相場は8000円〜15000円。

ウリプリスタル酢酸エステル


一方、正式に承認されていないが、医師の判断責任において使われている、もう一つの薬がウリプリスタル酢酸エステル(エラ)です。
実際に、オンライン診療などで、クリニックが独自の方法で入手して、処方されているようです。
未承認の薬なので、品質、安全面で注意が必要です。
海外では、広く使われている薬です。

 ・選択型プロゲステロン受容体モジュレーター
 ・性交後5日以内(120日)
 ・未承認の薬で、医師の判断、責任において出  される
 ・費用は、保険適応外で相場は10000円〜    20000円。

レボノルゲストレルが一般用医薬品として承認


2025.10に、レボノルゲストレルが一般用医薬品として、厚生省により承認されました。
これは、医師の処方なしで販売できる医薬品ということが、法的に認められたということです。
ですが、薬の準備はできましたが、運用方法の整備がまだ整っていない状況なので、承認されてもすぐには一般用医薬品として販売できない、という現状です。

2026年内に、一般用医薬品として承認されたレボノルゲストレルを登録薬局制度により販売できる事を目指している、という現状です。

最後に

緊急避妊薬が入手しやすくすることは、女性の健康のために、とても有意義な事です。ですが、簡単に入手できるようになるという良い面が、妊娠してもなんとかなる、という誤解を招き、倫理観を損なわせてしまう弊害も持ち合わせます。

「入手しやすくすること」と「被害者支援」を連立させることが、とても重要となります。

ですから、日本ではとても慎重にすすめられている訳です。

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