腸ってすごい

〜シリーズ1 腸と免疫〜

こんにちは。

薬剤師歴20年以上、子育て真っ只中の薬剤師たまさんです。

近年、腸の働きが見直されていることはご存知でしょうか?快便のためだけではなく、健康維持にとても重要な器官であることがわかってきました。

今回は、腸と免疫についてお話します。

免疫とは、外部から侵入してきたウイルスや細菌やがん細胞や異物などに対する身体の防御システムで、多くの免疫細胞が働いて身体を守ってくれています。

なので、元気!ということは、免疫細胞がしっかり働いている、ということです。

その免疫細胞の5割が小腸に、2割が大腸に、計7割が腸に存在すると考えられています。小腸には「バイエル板」という免疫器官があり、そこに多くの免疫細胞が集まり、病原体やがん細胞を退治してくれています。病原体を迎え撃つ機能を果たすこのシステムを「腸管免疫」といいます。

なぜ、腸に多くの免疫細胞が存在するのでしょうか?

口〜食道〜胃〜十二指腸〜小腸〜大腸〜肛門という消化器官は、管になってつながっています。そして、実はこの管は、身体の内部ではなく、空間的に外の世界に接している外部にあたり、外の世界にさらされています。ですから、外部からの侵入者を前線で退治するために、「腸管免疫」が備わっています。

一方大腸には、1000種類100兆個の腸内細菌が生息しています。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌にわかれます。

・善玉菌

酪酸菌、乳酸菌、ビフィズス菌など、腸にとって良い働きをするもの。

・悪玉菌

ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌など、腸にとって良くない働きや有害物質を作り出すもの。

・日和見菌

善玉、悪玉の優勢な方に加勢する。大腸菌など。

腸内細菌は、これらがグループごとにまとまって群生しているので「腸内細菌叢」といいます。善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1の割合が最もバランスよく、悪玉菌が少し存在することで、必要な役割を果たしています。

小腸の「腸管免疫」と、大腸の「腸内細菌叢」はお互い高め合いながら働いています。腸内環境が良いと、免疫も好ましく働きます。

ヨーグルトや発酵食品を摂ることで、風邪をひきにくくなる、とか、花粉症が楽になったとか聞きますよね。免疫力アップを期待した製品も店頭に並んでいますね。

腸内環境を整える事は、単に便秘や下痢の改善だけでなく、健康維持には欠かせない事なのです。

次は、腸内環境と睡眠についてお話しますね。

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