こんにちは。薬剤師歴20年、子育て真っ只中のたまさんです。
インフルエンザワクチンは、打つ意味があるのだろうかと悩まれる方いらっしゃいますよね。
インフルエンザワクチンは接種後10日〜2週間程で免疫がつきはじめ、4〜5週間で効果がピークとなります。その後5カ月ほど効果を持続しながら減弱していく事になります。
インフルエンザ有効性の理解
インフルエンザワクチンの有効性は、年代により変わります。
乳幼児(2回接種):40〜60%(母体免疫効果により差異が生じにくい)
小児(2回接種):50〜75%
成人:50〜70%
高齢者:30〜50%
ここで、ワクチンの有効性とはどういう意味でしょうか?
たとえば、有効性50%とは、ワクチン接種した半分の人がかからない、という意味ではありません。
ワクチン接種済が、ワクチン未接種の感染率を50%下げた、という意味になります。
(※有効性(%)={(未接種罹患率−接種罹患率)/未接種罹患率}×100)
インフルエンザワクチンの効果
65歳以上の高齢者施設で、インフルエンザ罹患を34〜55%減らし、82%死亡を阻止したというデータがあります。
(※インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの肺炎発症およぴ入院予防における有効性に関する前向きコホート研究
Joon Young Song 他 Clin Vaccine Immunol )
そのほか重症化を防いだという研究はいくつかあり、「重症化予防効果」はとても支持されています。
有効性を考えると、打ったところで、罹患する可能性はそこそこあるな、と感じます。ですが、
インフルエンザワクチンを打つ意味は、「かからないこと」ではなく「かかっても重症化しないこと」にあると考えられます。
インフルエンザに罹患した時のリスク
インフルエンザはいわゆる風邪よりも症状は重く、しんどい思いをするのは言うまでもありません。通常は、5日〜10日で回復しますが、重症化してしまうと以下のように発展してしまうことがあります。
近年の調査では、インフルエンザ罹患による入院は1.62%(60人に1人)、死亡または重症0.14%(700人に1人)となっています。
また罹患により肺炎になるのは、高齢者で5〜9%(20〜10人に1人)です。
その他、非常に稀ですが、インフルエンザ脳症(目安100万人に1人)や心筋炎(目安数%)、ギラン・バレー症候群(目安100万人中17人)などの神経症状などの合併症を併発する事もあります。
(※厚生労働省:日本の医療データベースから算出されたインフルエンザの重症化率)
やはり、たとえインフルエンザに罹患しても重症化させない事が非常に重要だと考えられます。
インフルエンザワクチンによるリスク
まずは、費用、受診の手間、がかかりますね。これは仕方がありません。
インフルエンザワクチンの副反応ですが、
腫れや痛みの局所反応(30〜50%)、発熱や倦怠感などの全身症状(5〜10%)にみられますが数日で治ります。
注意が必要な副反応では、蕁麻疹やアナフィラキシーショック(10〜100万人に1人)ですが、これは30分程度の院内待機で対応可能です。
その他、ギラン・バレー症候群(100万人に1人インフルエンザ罹患より少ない)や、脳症などの報告はありますが、日本のワクチンでは、極めて稀とのことです。
(※厚生労働省:新型インフルエンザワクチン接種後の副反応報告)
最後に
インフルエンザワクチンを接種した方が明らかに健康へのメリットがあることはわかりますが、費用や手間など健康面以外のデメリットもあります。
年間インフルエンザに罹患する人は1000万人程で10人に1人です。
基礎疾患ありや高齢者は接種を勧めますが、例えば旅行や受験などのどうしても罹患を避けたいイベントがある年は接種する、など、個人の自由でしっかり判断していきたいですね。
インフルエンザワクチンでインフルエンザになるのかな?
ちなみに、日本のインフルエンザワクチン注射は不活化ワクチンのため、接種によりインフルエンザに罹患することはありません。
弱毒化生ワクチンの場合、理論的にはインフルエンザに罹患する可能性は否定できないということになりますが、基本的にはもちろん問題ありません。(※弱毒化生ワクチン:フルミスト(経鼻噴霧2歳〜19歳対象))


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