NSAIDS(消炎鎮痛薬)の副作用について

健康

こんにちは。薬剤師歴20年のたまさんです。

いわゆる「痛み止め」は、最も身近な薬であり、お世話になっている方も多いと思います。
節々の痛みや頭痛に使う頻度も高いですよね。
又、解熱鎮痛薬と言われる通り、鎮痛作用だけでなく、解熱作用も併せ持つので、私たちの生活には切り離せない薬です。

たからこそ、副作用が気になりませんか?

胃腸に負担がかかるのでは?

長く服用して大丈夫?

依存性は生じるのかしら?

残念ながら、その不安は、ほぼ的中しています。

「痛み止め」=解熱鎮痛薬の副作用についてお話します。

※整形で使われるオピオイド系鎮痛薬は部類が別になるので、今回のお話では除外します。

ちなみに、解熱鎮痛薬は、NSAIDSと称され非ステロイド性消炎鎮痛薬と訳されます。以下、解熱鎮痛薬はNSAIDSと言います。

NSAIDSの働き


NSAIDSの作用と副作用を理解するためには、アラキドン酸の代謝を理解する必要があります。

アラキドン酸カスケード


細胞膜リン脂質から合成されたアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(COX)によりプロスタグランジン(PG)群に代謝され、PGは様々な生理活性を示します。
COXには、2つのタイプがあり、COX1とCOX2に分けられます。

NSAIDSの作用


NSAIDSはこのCOXを阻害して作用します。

シクロオキシゲナーゼ阻害薬と呼ばれています。

非選択性NSAIDSと選択性NSAIDS


NSAIDSには、COX1.COX2の両方を阻害する非選択性NSAIDSと、COX2だけを阻害する選択性NSAIDSがあります。
非選択性はロキソプロフェンNa水和物、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウムなど従来からあるものが多く、選択性はセレコキシブ、メロキシカム、エトドラクです。

COX1とCOX2の働き

ここで、COX1、COX2による働きを簡単に説明します。
COX1は常時働いていて、は胃粘膜保護、腎機能保護、血小板凝集作用があります。
一方COX2による作用は炎症により誘起され、発熱、炎症疼痛増強、血管修復作用、腎機能保護作用があります。
このうち、NSAIDSの期待する作用は、COX2を阻害することによる、解熱、抗炎症、鎮痛作用という訳です。

NSAIDSの副作用


ここまでお話しておわかりになると思いますが、NSAIDSの副作用とは、主にCOX1、COX2を阻害する事による、期待されていない作用、ということになります。

COX1を阻害する事による副作用


先に述べたCOX1の作用を阻害する訳ですから、胃腸障害、腎機能障害、血小板凝集抑制作用(サラサラ作用)が現れます。

COX2を阻害する事による副作用


腎機能障害は同様に起こり得ます。また、あまりよく知られていませんが、血管修復する作用も阻害されています。

選択性NSAIDSの落とし穴

非選択性NSAIDSでは胃腸障害が問題となっていましたので、後に選択性NSAIDSが開発され、COX2を選択的に阻害する事により、胃腸障害の問題はある程度回避できるようになりました。このため、選択性NSAIDSが使われる事も多くあります。

ところが、選択性NSAIDSは、COX2を優位に阻害するため、血管修復阻害作用が強く出ることが、リスクとなります。
COX1のサラサラ効果も期待できず、血管修復作用も阻害するため、心臓血管系の問題がとても高くなってしまいます。

一方で腎機能障害については、非選択性、選択性どちらも同等に起こり得る事がわかっています。

まとめ

先の質問に答えます。
胃腸障害は起こるのですか?
はい。大抵のNSAIDSは非選択性のため、必然的に起こります。選択性は胃腸障害は低減されてますが、全くないわけではなく、注意は必要となります。

長く服用しても大丈夫?
漫然と長期服用は好ましくありません。胃腸障害もありますが、腎機能障害がより重要な問題となります。胃腸は治せますが、腎機能は戻りません。

効かなくなるのでは?
NSAIDSについては、依存性はほぼ無し、と考えて大丈夫です。ただし、依存性は薬の効果とは別に心理的作用が働きます。そういう意味で注意は必要です。
また、今回はお伝えしていませんが、頭痛に対して用いる時は依存性のような状態を生じますので、大丈夫とは言えません。

救世主に成りうるNSAIDSですが、重要な副作用も持ち合わせます。必要最小限で上手く使っていきたいですね。

もちろん薬ですから、この他にも沢山の副作用かあります。個人差によりますので、異変を感じたらすぐに医師や薬剤師に相談してください。

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